次に、環境問題について質問をします。
環境問題と言いましても幅広い問題でありますので、今回は、水を「テーマ」に絞らせて頂きたいと思います。
現在、高知市は約137,000世帯322,000人の人口を抱えております。
河川の水質については、市役所の1階ロビーにBODやCOD等の調査データが掲示され、水質問題に取り組んでいることは承知しております。
しかし、実際環境破壊がどこまで進んでいるのか?また、自分たちが飲んでいる水道水は、東京などの大都市部よりは「おいしい」と言われておりますが、現在の殺菌処理の方法は塩素殺菌を採用しております。
昨今の高知市上水道は、地下水が飲料水に不適とされている状況などからみても、実は深刻な状況に直面しているのではないかと思われます。
高知市内の施設、病院、福祉施設、プール等の衛生管理について、お伺いします。
水の有効利用と言うことで、今年2月にオープンした愛知県西尾市の老人ホームが水の有効利用を考え、2005年愛知環境博覧会の開催ということもあり、施設計画をした時点で住民の皆さんと話し合い、
「排水については、環境や渇水対策も考えて飲料水レベルまでの排水が出来る施設を建設します。」と公約し、また、「施設内の生活排水等は、トイレ等の水に再利用する中水システムを導入した。」と聞いています。
県と市の統合病院も、そういった面でのコストや再利用について、検討した経過についてお聞かせ下さい。また、排水についてはどのような処理をお考えなのか?合わせてお答え下さい。
次に、レジオネラ属菌の感染事故が昨年4月以降1年間で200件に達し、10名の死亡者がでています。静岡県掛川市の温泉施設で利用客23人が集団感染、うち男性2人が死亡。その後、茨城県石岡市の社会福祉施設や名古屋の大学病院で感染が相次ぎました。12月19日には、厚生労働省からの発表で浴槽水中の塩素濃度管理は、「1リットル中0.2〜0.4ミリグラムを2時間以上保つことが望ましい」としていますが、その弊害についてと、24時間風呂に対して安全面での問題を指摘しております。
感染問題について、幸い高知県では大きく新聞報道等されていませんが、施設の管理状態において国の基準が「塩素を使って殺菌をしましょう」ということになっています。しかし、塩素はそのまま利用すると、安価で管理しやすくても利用する抵抗力のない幼児や高齢者等には弊害もあり、また排水についても問題があるのではないかと思います。
そこで私は、高知市の施設ではどのような所があるか?また問題点はないか?実際現地を訪問して実態調査をして参りました。
結果を申しますと、管理面での徹底がなされていない状態がほとんどであったと言えます。
それは、「今年に入り、休み明け始めての入浴日には塩素が入れすぎで、浴室が塩素の臭いで充満していた」とか「メンテナンスについての管理表及び水質の検査表がない」等のことです。
高知市の管理施設では、その後また今後、どのような方向性が示され、管理していくか?をお伺いします。
健康福祉部は、このことをどこまで把握しているのでしょうか? 現在、推進中の施設整備についても現在、砂ろ過方式の計画がされているように聞きましたが、管理面、ランニングコスト面での検討の結果も含めて、今後の水質管理及び感染問題に関する施設運営管理についての取り組みをお聞かせ下さい。
昨年12月の定例会においても、国体プールの水質・ランニングコスト等の管理面でも答弁がありましたが、塩素砂ろ過方式採用について、他の方法と比較、協議、検討したのでしょうか?
市議会だよりNo.140号では「ドイツの水質なみの処理が出来る高知市ろ過機メーカーの製品が単に初期投資すなわちイニシャルコストが理由で不採用」との内容がありました。
環境に優しい製品として高知市の医療機器メーカーのろ過機が「エコデザイン・プラクティス100」に選出されているそうですが、それらのメーカーの製品も検討されたのでしょうか?聞くところによりますと、完全オゾン処理方式により、排水のみならず感染対策も可能で、ホテル日航東京でも稼働中との事、委託設計業者に対して現場状況を含めて、きちんと調査させているのでしょうか?
宇賀に建設予定している余熱プールについても、管理は塩素ろ過方式が中心で行うようですが、現状の余熱プールに採用・検討をしている経過をお聞かせ下さい。
また、イニシャルコスト及びランニングコストや感染の問題以前に、市民のみなさんが安全で安心して利用出来る状態を考えているのか?是非お聞かせ願いたいと思います。
今年の初めに、環境問題の勉強会を行いました。
「環境問題」をテーマに取り上げて身近な所で生活ゴミ処理問題、河川問題、施設の排水が、私たちの飲料水にまで影響が及びかねないと改めて考えさせられました。
高知県内では、高知エコデザイン協議会が昨年9月18日に設立されました。
これは、高知県のイメージを最大限に活かし、県内産業の活性化を図る目的で産、学、官、民の連携により、環境に配慮した製品・サービス・システム等を開発提供、PRする事を目的としています。
近々、高知エコデザイン協議会をモデルとして東京でも日本エコデザイン協議会事務局が設けられたそうです。
南国市では、今年11月に高知で予定されているAPO(アジア生産性機構)主催の南国市エコタウン構想(環境アセスメント)についての取り組みを既に始めています。
以上の事から、高知市民の代表として、地域住民の環境問題に対する声を取り上げ、高知市エコタウン構想と共に、誰もが参加でき、どしどし意見交換を行う事が、よりよい高知市になる第一歩だと思います。エコデザインの発想について、高知のグローバル化などの問題も含め、もっと意識を持って皆さんで考えてみてはいかがでしょうか?
環境問題の最後に紹介させて頂くのは、長野県南部にある人口6,000の小さな村「阿智村」での廃棄物処分場計画についてです。
先日、来高された阿智村の社会環境アセスメント委員会、高杉委員長が次のように最終報告書をまとめています。
「委員会は全部の審議を公開した。知らないうちに計画が進み、こじれるケースが多い中で産廃不信に風穴を開け、委員会と事業団のやり取りの中で、計画があいまいだった部分や地元配慮の足りない部分が修正された。産廃見込み量を吟味し直した結果、埋め立て量が縮小され、構造もより安全な方法に見直した。」
このように、阿智村廃棄物処分場計画については、専門家の他に公募の村民有志も加え、メリット・デメリットを冷静に検討分析しており世界的にも初めての試みがなされています。
田中康夫長野県知事も「阿智村におきましては、廃棄物処理事業団の整備計画についてのメリットやデメリットだけではなく、計画決定のプロセスに問題がなかったか等を公募による住民参加のもとで、冷静に客観的に分析されております。私も、その報告書を拝見させていただきましたが、私がかねてから申し上げております「しなやかな検討」がなされた上で合意が形成されたと受け止めております。」「また、社会環境アセスメント委員会の高杉委員長は、この試みを医療におけるインフォームドコンセントに例えておられますが、十分な説明を受けた上で、納得して判断を行なって行くということが、極めて大切であるということを示す好事例であり、きちんとプロセスを踏んできたことにより住民の理解が得られてきたものと考えられております。」以上、阿智村の取り組みについて紹介をさせて頂きました。
このように、これからの高知市エコタウン構想の中にも、産業廃棄物処理についても内容を明確に取りあげ、余熱プールを始め、工業・施設排水・生活排水等の「水」に関する取り組みについて、市が運営する施設、地域河川、排水、再利用水、飲料水等に至るまでを踏まえて、もっと冷静に分析・論議し、これまで計画してきた内容についてのプロセスと現状を公表して頂きたいと思います。
今後の検討材料として、これからの高知市の環境アセスメントは、さらに情報を公開して行く必要性があるのではないか?もっと具体的な説明と、経過を地域住民が分かるような場を設け、環境問題についてもそうですが、将来を見据えたより良い取り組み方についてのお考えを是非お聞かせ下さい。